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浮気離婚財産分与の判例

  離婚・有責配偶者・財産分与で争った高裁判例
  別居期間と離婚認容の関係
  財産分与の争い
  判決の感想と教訓

離婚有責配偶者財産分与で争った高裁判例

離婚財産分与で争った医師夫婦の判例(2005/5 高裁)
内容が急に高度になりますが、下記リンクで離婚と財産分与で争った医師夫婦の判例を紹介しております。(2005年(平成17年)5月高裁)

「個人病院を経営していた医師である控訴人(夫)が,婚姻生活40年余の被控訴人(妻)に対し、昭和56年から、いわゆる家庭内別居状態になり、平成6年ころから自宅を出て,同一敷地内の病院(院長室)で寝泊まりするようになり、その後、平成12年から別居して、控訴人の肩書住所地のマンション(本件マンション)に居住しており、両名間の婚姻生活は既に破綻しているとして、民法770条1項5号(その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき)に基づき、離婚を求めたところ,被控訴人(妻)が、控訴人(夫)は、昭和56年ころからAと不貞関係を持ち、上記マンションで同居しているもので、いわゆる有責配偶者(以下「有責配偶者」という。)であって、本件離婚請求は社会正義に照らして認められないなどと主張して争った事案である。」

夫は有責配偶者ですが、妻に離婚と財産分与を請求。一審敗訴。夫は高裁に控訴して勝訴。離婚と財産分与を勝ち取ったものです。


別居期間離婚認容の関係

正式別居4年、家庭内別居19年
有責配偶者6 有責配偶者の離婚請求を認容 別居11年で紹介している趣旨は、別居期間と離婚認容の関係です。
昭和56年(1981)から家庭内別居。
平成6年(1994)ころから自宅を出て,同一敷地内の病院(院長室)で寝泊まり。
平成12年(2000)12月、完全別居。
裁判所が認定している正式な別居期間は4年余ですが、19年に及ぶ家庭内別居が考慮され、離婚が認められたという判例です。

巷(ちまた)に「5年間別居すれば離婚成立」などという風説が流布されていますが、そんな判例(最高裁・高裁の判決)はありません。
「5年間別居の実績があれば、夫婦としての交流もなく、形ばかりの結婚だから、離婚が成立しやすい」程度の話です。
ただ地裁レベルでは、破綻主義の傾向ですから、原因を別居期間以外のものに求めて、別の理由で総合的に判断して離婚を許可することはありえます。


財産分与の争い

妻は、裁判所の勧告に従わず、財産の内容を明らかにしなかった
ここで紹介する意図は金銭的な側面です。判決には、
「控訴人(夫)は、以上のほか、本件マンション、保険医の年金等を有し、他方、被控訴人は、上記のほか内容を明らかにしないものの、両親からの相続により得たI株式会社の株式の売却益により購入した株式やJの株式等を有していることを自認している。」とあります。
妻は、裁判所の勧告にも従わず、特有財産の内容を明らかにしませんでした。
妻が認めたのは、節税目的の会社(当初夫が設立。妻は現金及び預金とも全くないと主張)、自宅不動産のみで、隠せないものだけ認めています。
株券の存在は認めたものの額は明らかにしませんでした。

夫は、離婚を前提とした裁判上の和解を再三申入れ、明らかになっている財産を2分の1ずつに分配するとの和解条件を申入れています。

これに対し、妻は、離婚を受け入れ、その条件(財産の分配等)について検討し、自らも「財産分与案」を提案してきましたが、妻の居住する自宅不動産の評価に互いの差がありました。

妻の和解案は,前記不動産は本件マンション(夫が愛人Aと居住)を除き全て妻の取得とし、夫への代償金の支払はしないというものであり、これに対し、夫は、一部の不動産ないしは代償金による清算を提案しました。
結局合意に至らなかったものです。


判決の教訓

判決による勝ち負け
あくまでも個人の感想ですが、「夫は離婚と財産分与を勝ち取って勝訴ですが、妻の隠し財産を最終的に明らかに出来なかったので、実質的に敗訴」、「妻は敗訴ですが、結婚生活は長年破綻していたものだし、隠し財産を守り通して、老後も安泰なので実質的勝訴」。
絶妙な大岡裁きを見るような感じがします。


教訓
夫は、愛人を作った有責配偶者ですが、
「離婚の決心をもっと早くする」、
「離婚を弁護士任せにせず、自分で調停前に妻の財産調査等の万全の準備をする」
等をしておけば、又違った展開になったと思います。

妻の勝因は、
「長年にわたって夫の財産管理をした事」、
「財産を特定しにくい株券にシフトした事」
「特有財産に共有財産をぶちこんでごちゃまぜにした事」
(だから裁判所の勧告があっても特有財産の明細を明らかにしなかった、と思われます)
があげられます。
この事例に学ぶべき教訓は、
共稼ぎ夫婦は、原則は、自分の収入は自分で管理する。
預金等の共有財産を配偶者に預け放しにしない。時々はチェックをする。
離婚を意識した時から不貞・共有財産などの証拠収集を始めること。
離婚協議前に財産目録・証拠収集を完了すること。

この判例の詳細→有責配偶者6 有責配偶者の離婚請求を認容 別居11年


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