離婚調停・調停離婚

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離婚調停・調停離婚


  1. 離婚調停申し立て
    1. 離婚調停を家庭裁判所に申し立て
    2. 家庭裁判所一覧
    3. 申立書の記入方法
    4. 申立書のサンプル
    5. 呼出状
    6. 本人出頭義務
    7. 調停委員会
    8. 回数

  2. 離婚調停成立
    1. 離婚調停成立
    2. 調停で「協議離婚」の合意
    3. 寄託制度の利用
    4. 離婚後の氏の変更・不変更

  3. 離婚調停の効力と履行確保
    1. 離婚調停の効力
    2. 履行の調査・勧告
    3. 履行命令と制裁
    4. 強制執行
    5. 寄託

  4. 離婚調停不成立
 

離婚調停

 

離婚調停を家庭裁判所に申し立て

離婚調停を家庭裁判所に申し立てる


  夫婦間の協議が成立しない場合、家庭裁判所に調停を申立てることになります。
   家庭裁判所の扱う調停事項は「人事に関する訴訟事件その他一般に家庭に関する事件(但し第9条第1項甲類に規定する審判事件を除く)」(家審17)とされています。これを家事調停と言いますが、離婚調停は家事調停に含まれます。
  家庭裁判所の家事調停は、訴訟とは異なり、当事者(申立人・相手方双方)が調停委員会を介して間接的な話し合いを行い、双方の合意に基づいて権利関係を定めることにより紛争を解決する制度です。
  調停は裁判とは異なり、双方が合意に達しなければ調停不成立となります


離婚裁判における調停前置主義


  離婚を強く希望しているのに夫婦間の話合い・協議が成立しない場合、家庭裁判所に離婚調停を申し立てずに、いきなり離婚裁判に持ち込む事はできません
  離婚裁判の前に必らず家庭裁判所に離婚調停を申し立て、離婚調停不成立の後、法定離婚原因がある場合のみ離婚裁判に持ち込めます。(家審18調停前置主義)(民770裁判上の離婚原因


離婚裁判

  離婚訴訟の訴状には、調停前置主義により、離婚調停を行ったが離婚調停が不成立で終わったことを証明する家庭裁判所発行の「夫婦関係調整事件不成立調書」が添付書類として必要です。
  離婚裁判となると時間も費用もかかりますので、何とか家庭裁判所での離婚調停を成立させ、この段階で離婚問題を終結させたいものです。


家庭裁判所の離婚調停


  後述の「夫婦関係事件調停申立書」を見ると直ぐ分かりますが、夫婦関係解消(離婚・内縁関係解消)と円満調整(婚姻関係・内縁関係)とに分かれています。
  離婚の決意が固く離婚の為の話し合いの場を求めている人には夫婦関係解消の方向で、未だ離婚の決心がつかなくて復縁の話し合いの場を求めている人には円満調整の方向で、調停を行なってくれますので、安心して利用できる機関です。



離婚調停申し立ての費用

  収入印紙代1,200円+連絡用の予納郵便切手代

離婚調停申し立てをする家庭裁判所

  家庭裁判所には地域管轄(かんかつ)というものが定められています。
  調停を申し立てる家庭裁判所は、原則的に、「相手方の住所地の家庭裁判所又は当事者が合意で定める家庭裁判所」です。(家審規第129条1項)


離婚調停の申立人

  家庭裁判所の調停申立は、無責配偶者側からだけではなく、有責配偶者側からも申立は可能です。


離婚調停を弁護士に相談

 初回法律相談料は「30分5250円」。
(電話相談を含む。要予約。但し受件の場合は無料。離婚の法律相談の場合であって、事業に関する相談を除く。)  弁護士費用詳細

家庭裁判所の離婚調停成立の内訳


   平成19年版司法統計によれば、調停成立総数31,625件(100%)の内、調停離婚成立24,712件(78%)、協議離婚届出444件(1%)、婚姻継続別居5,241件(17%)、婚姻継続同居1,228件(4%)となっています。



※平成19年版司法統計


 第14表 婚姻関係事件数−終局区分別
申  立  人
申立ての趣旨



認 容


調 停 成 立

婚姻継続


調







婚姻継続




総      数
 離   婚
 円満調整
 同居・協力扶助(乙1)
 婚姻費用分担(乙3)
65,265
51,625
3,795
191
9,654
1,112
1
-
-
1,111
1,077
1
-
-
1,076
35
-
-
-
35
94
1
-
24
69
31,625
25,995
1,300
33
4,297
24,712
23,418
652
9
633
444
385
16
1
42
5,241
1,553
284

16

3,388
1,228
639
348
7
234

  離   婚
 円満調整
 同居・協力扶助(乙1)
 婚姻費用分担(乙3)
19,199
16,657
1,808
112
622
87
1
-
-
86
81
1
-
-
80
6
-
-
-
6
51
-
-
20
31
8,619
7,794
565
12
248
7,406
7,038
336
3
29
152
142
8
1
1
774
442
120
6
206
287
172
101

2

12

 離   婚
 円満調整
 同居・協力扶助(乙1)
 婚姻費用分担(乙3)
46,066
34,968
1,987
79
9,032
1,025
-
-
-
1,025
996
-
-
-
996
29
-
-
-
29
43
1
-
4
38
23,006
18,201
735
21
4,049
17,306
16,380
316
6
604
292
243
8
-
41
4,467
1,111
164
10
3,182
941
467
247
5
222


離婚調停の関連条文


家事審判法


第17条 [調停事件の範囲]

  家庭裁判所は、人事に関する訴訟事件その他一般に家庭に関する事件について調停を行う。但し、第9条第1項甲類に規定する審判事件については、この限りでない。

第18条 [調停前置主義]  
   前条の規定により調停を行うことができる事件について訴えを提起しようとする者は、まず家庭裁判所に調停の申立をしなければならない。

前項の事件について調停の申立をすることなく訴を提起した場合には、裁判所は、その事件を家庭裁判所の調停に付しなければならない。但し、裁判所が事件を調停に付することを適当でないと認めるときは、この限りでない。

第19条 [受訴裁判所の調停移付]  
  第17条の規定により調停を行うことができる事件に係る訴訟が係属している場合には、裁判所は、何時でも、職権でその事件を家庭裁判所の調停に付することができる。

前項の規定により事件を調停に付した場合において、調停が成立し又は第23 条若しくは第24条第1項の規定による審判が確定したときは、訴の取下があったものとみなす。


家事審判規則


第1条 [規則の趣旨] 
  家庭裁判所の審判及び調停に関しては、家事審判法(以下法という。)に定めるものの外、この規則に定めるところによる。

第2条 [審判・調停の申立] 
  申立をするには、その趣旨及び事件の実情を明かにし、証拠書類がある場合には、同時に、その原本又は謄本を差し出さなければならない。

第3条 [申述の方式] 
  申立その他の申述は、書面又は口頭でこれをすることが できる。

口頭で申述をするには、裁判所書記官の面前で陳述しなければならない。この場合には、裁判所書記官は、調書を作らなければならない。

第4条 [移送と自庁処理] 
 
 家庭裁判所は、その管轄に属しない事件について申し立てを受けた場合には、これを管轄裁判所に移送しなければならない。
  但し、事件を処理するために特に必要があると認めるときは、これを他の家庭裁判所に移送し、又はみずから処理することができる。

家庭裁判所は、その管轄に属する事件について申立を受けた場合においても、事件を処理するために適当であると認めるときは、これを他の家庭裁判所に移送することができる。

第129条[管轄] 
  調停事件は、相手方の住所地の家庭裁判所又は当事者が合意で定める家庭裁判所の管轄とする。

第99条第2項の規定は、寄与分を定める調停事件について準用する。

第138条 [調停をしない処置] 
  調停委員会は、事件が性質上調停をするのに適当でないと認めるとき、又は当事者が不当な目的で濫りに調停の申立をしたと認めるときは、調停をしないことができる。

     

家庭裁判所一覧

家庭裁判所
  裁判所には事物管轄(じぶつかんかつ)と地域管轄(ちいきかんかつ)が定められています。
事物管轄では、離婚調停・離婚裁判を申し立てる裁判所は家庭裁判所と定められています。
地域管轄では、相手方の住所地の家庭裁判所又は当事者が合意で定める家庭裁判所です。


北海道 01北海道
東北 02青森県 03岩手県 04宮城県 05秋田県 06山形県 07福島県 
関東 08茨城県 09栃木県 10群馬県 11埼玉県 12千葉県 13東京都 14神奈川県 15山梨県 
信越 16長野県 17新潟県
北陸 18富山県 19石川県 20福井県
東海 21岐阜県 22静岡県 23愛知県 24三重県 
近畿 25滋賀県 26京都府 27大阪府 28兵庫県 29奈良県 30和歌山県
中国 31鳥取県 32島根県 33岡山県 34広島県 35山口県 
四国 36徳島県 37香川県 38愛媛県 39高知県
九州 40福岡県 41佐賀県 42長崎県 43熊本県 44大分県 45宮崎県 46鹿児島県 
沖縄 47沖縄県
   

申立書の記入方法

離婚調停申立書の記入方法

  離婚調停申立書は、正式には夫婦関係調整(離婚)申立書といいますが、記入例がありますし、分からない点は家裁の人に聞けば親切に教えてくれます。実際には第一回目の調停で調停委員から申立人に詳しく説明を求めますので、要点を記載すれば結構です。
  財産分与・慰謝料・養育費の欄は値切られる事を前提に少々高めに書いておきましょう。もっともあまり無茶を書いても調停委員からたしなめられますし、相手からも反撃されます。やはり互譲の精神が大切です。



離婚調停申立に準備するもの及び記入事項

 申立人・相手方の戸籍謄本1通
 印鑑
 申立人・相手方の本籍・住所・連絡先
 親権者・財産分与・養育費・慰謝料の要求事項
 申立ての趣旨・実情
 印紙代・郵券代が必要。


離婚調停申立書の記入の注意事項

 誤字・脱字のないよう注意してください。
 あやふやな漢字は必ず辞書を引くようにしてください。
 字は下手でも丁寧に記入してください。
 (調停委員の申立人に対する第一印象が左右されます)


別居中で、夫の暴力が恐い等の理由で自分の現住所を隠したい場合


  「調停申立書」には旧住所を記入し、家庭裁判所に事情を説明し、書類の送付先だけ別扱い(例 宛先を新住所又は自分の実家)にしてもらう上申書を提出します。
  調停の段階から弁護士を依頼した場合には、「○○弁護士事務所気付」にしてもらう方法もあります。(勿論、弁護士には先にお願いしておきます)



別居中で、家裁からの帰路、相手の待ち伏せ・暴力・尾行が心配な場合


  調停委員に状況を説明してお願いしてください。調停を貴女を先に終了して、貴女が電車に乗って立ち去る程度の時間は、調停委員が相手を引き留めておいてくれます。

   

申立書のサンプル


離婚調停申立書は、正式には夫婦関係調整(離婚)申立書といいますが、下記サンプルは実際とは若干違います。(htmlでの表作成が難しいもので申し訳ありません) 大体どんなものかが分って頂ければ幸いです。


夫婦関係調整(離婚)申立書
夫婦関係調停申立書  事件名 ( 離 婚 )
               受付印


収入印紙         円
予納郵便切手      円
(この欄に収入印紙1200円分をはる。)



                          (はった印紙に押印しないでください。)
準口頭 関連事件番号 平成 年(家  )第     号
東 京 家庭裁判所  
 御中
 平成  年  月  日 
 申 立 人の署名押印
 又は記名押印
    板 橋 花 子   
 添付書類 申立人・相手方の戸籍謄本  通




 本 籍
 東京都板橋区志村 ◯◯◯番地
 住 所 〒000-0000                           電話
 東京都板橋区志村二丁目◯◯番◯◯号    
 呼出しのた
 めの連絡先
〒000-0000                           電話
 フリガナ
 氏 名
 イタ  バシ ハナ  コ
 板 橋 花 子
 昭和  年  月  日生
 職 業   会 社 員  勤務先          電話
○○○○株式会社






 本 籍
  東京都板橋区志村 ◯◯◯番地
 住 所 〒000-0000                           電話
  東京都大田区蒲田◯丁目◯◯番◯◯号 電話
 呼出しのた
 めの連絡先
〒000-0000                           電話
 フリガナ
 氏 名
 イタ  バシ  タ  ロウ
 板 橋 太 郎
 昭和  年  月  日生
 職 業
  会 社 員  勤務先          電話
○○○○株式会社
申   立   の   趣   旨
円  満  調  整 夫 婦 関 係 解 消 

1 申立人と相手方間の婚姻関係を円満に調整する。
2 申立人と相手方間の内縁関係を円満に調整する。
3 相手方は、申立人と同居する。
4 相手方は、申立人に夫婦関係を維持するための生活費として、毎月金       円を支払う。







1 申立人と相手方は離婚する。
2 申立人と相手方は内縁関係を解消する。
 (付随申立て)
(1)未成年の子の親権者を次のように定める。
                  については父。
   長女桃子、次女梅子  については母。
(2)相手方は、申立人に未成年の子の養育費
  として、1人当たり毎月金 5万円を支払う。
(3) 相手方は、申立人に財産分与として
    金  300万円を支払う。
(4) 相手方は、申立人に慰謝料として、
      金  300万円を支払う。
(5)

※当てはまる番号を○で囲んでください。

申 立 て の 実 情
 同居を始めた日…昭和 年 月 日      別居をした日 …平成 年 月 日
            平成 
(夫婦関係が不和となった事情、その後のいきさつなどを簡単に記入してください。)

1.相手方である夫板橋太郎は2年前より会社の同僚町田聖子さんと不倫の関係になりました。
  聖子さんの件で再三話合いをしようとしましたが、聖子さんの話になると暴力を振るい、話合いになりません。舅、仲人等に注意して貰いましたが全く耳を貸しません。
2.6ヵ月前からは生活費も渡してくれません。仕方なく私はパートに出て僅かながらの収入を得て、不足分を実家に援助して貰い細々と生活をしております。
3.先月、夫は離婚届の用紙を置いて家出。聖子さんと同棲を始めました。
4.私は2年間つらい日々を送ってまいりましたが、やっと財産分与・慰謝料・養育費等をもらう条件で離婚する決心がつきましたので、この申立てをした次第です。



 (特に希望したいことなどがあったら記入してください)


申 立 て の 動 機

1 性格が合わない   2 異性関係   3 暴力をふるう   4 酒を飲みすぎる
5 性的不調和      6 浪費する    7 異常性格     8 病気
9 精神的に虐待する 10 家族をすててかえりみない     11 家族と折り合いが悪い
12同居に応じない   13 生活費を渡さない          14 その他

(注)太枠の中だけ記入してください。 ※の部分は、当てはまる番号を○で囲み、そのうち最も重要と思うものに◎を付けてください。

   

呼出状

調停期日呼出状


  離婚調停を申し立てますと、家庭裁判所から下記のような「調停期日呼出状」が申立人・相手方の双方に送付されます。



調停期日呼出状

  申立人○○○○、相手方○○○○の間の平成○○年(家イ)第○○○号夫婦関係調整調停事件について、調停期日を定めましたので、
  日時 平成○年○月○日 ○○時 
  場所 東京家庭裁判所14階 調停室  においでください。

  〒100 東京都千代田区霞が関1−1−2  電話3502−8311
       東京家庭裁判所 家事  部第  係
                   裁判所書記官 ○○○○


離婚調停の期日変更申請


  この調停期日は、家裁のこみ具合によっても違いますが、大体申立1ヶ月後位です。
  指定された期日に出頭できない場合は、事前に家裁に出頭し、期日変更申請を提出する必要があります

東京家庭裁判所の呼出状には下記のような案内状が同封されています。


家事調停について

  この度、申立人からあなたに対して家事調停の申立てがあり、同封の「調停期日呼出状」のとおり、調停の日を決めました。
  調停は、当事者間の解決が困難な問題について、家庭裁判所が公平な立場で係わる「話し合いの場」です。裁判手続きではありませんので、裁判問題にされたとか、訴えられたとか考える必要はありません。
  調停では、家庭や身内の争いごとを解決するための知識・経験が豊かな専門家で構成する調停委員会が、なごやかな雰囲気のなかで、お互いの言い分を十分にうかがい、「最もよい解決方法は何か」についてアドバイスを行います。
  また、調停はすべての手続が非公開です。したがって、関係者の秘密が外部に漏れることは絶対にありませんので、安心してお越しください。
  問題が一日でも早く解決するよう、ぜひ調停に出席してください。

                                      東京家庭裁判所


家庭裁判所からの離婚調停呼出状


  家庭裁判所から調停への呼出状が送られてきた相手側が「裁判に訴えられた」と誤解して、怒り狂ったり、緊張する人がいますが、案内状にある通り全くの誤解です。
  調停への呼出状は「家庭内の紛争を円満調整又は夫婦関係解消の方向で解決する為に、公平な第三者である調停委員会が仲介の労を取りますから、話し合いで解決策を探しませんか」との趣旨です。
  調停は裁判とは異なり、双方が合意に達しなければ調停不成立となります。



調停呼出状を受け取った側の姿勢


  よくあるケースですが、
  婚姻関係・内縁関係は完全に破綻していたが、意地で話し合いに応じなかった。
 婚姻関係は完全に破綻していたが、未練と憎悪で法外な金銭を要求して、実質的に話し合いをぶち壊していた。
  ●財産分与・慰謝料を払いたくなくて、子供の親権を要求。実質的に話し合いをぶち壊していた。
という方は、素直に今までの態度を反省して、家裁の調停にのぞむ必要があります。

  家庭裁判所の案内状はソフトに書いてありますが、第三者−それも裁判所が絡んでくる以上、余りな事を言えば「我がまま」と非難され、怒られることもあります。


このHome Pageをご覧になっている方は、男性、特に妻の不貞に悩んでいる夫という方が多いのですが、未練と憎悪で法外な金銭を要求するのではなく、調停の場では理詰めに金銭的要求をする準備を始めてください。


   

本人出頭義務

離婚調停の本人出頭義務


  事件の関係人(申立人・相手方)は、自身が出頭しなければなりません。
  但し、やむを得ない事由があるときは、代理人を出頭させ、又は補佐人とともに出頭することができます。(家審規第5条1項)

  弁護士でない者が代理人又は補佐人となるには、家庭裁判所の許可を受けなければなりません。(同条2項)家庭裁判所は、何時でも、この許可を取り消すことができます。(同条3項)

  呼出を受けた相手方が正当な事由がなく出頭しないときは、家庭裁判所は、これを5万円以下の過料に処します。(家審第27条)

  過料の制裁をしても相手方が調停に出頭しない場合、申立人側としては調停を不成立で終了させ、地方裁判所に提訴することになります。



離婚調停関連条文


家事審判規則

第5条 [本人の出頭義務] 
 
事件の関係人は、自身出頭しなければならない。但し、やむを得ない事由があるときは、代理人を出頭させ、又は補佐人とともに出頭することができる。
弁護士でない者が前項の代理人又は補佐人となるには、家庭裁判所の許可を受けなければならない。
家庭裁判所は、何時でも、前項の許可を取り消すことができる。



家事審判法


第27条 [不出頭に対する過料の制裁] 
 
  家庭裁判所又は調停委員会の呼出を受けた事件の関係人が正当な事由がなく出頭しないときは、家庭裁判所は、これを5万円以下の過料に処する。

   

調停委員会

調停委員会の組織


  家事審判官(裁判官)一人及び家事調停委員二人以上とされています。(家審22条1項)
  調停委員会を組織する家事調停委員は、家庭裁判所が各事件について指定します。(同条2項)


離婚調停の家事調停委員


  調停委員会で行う調停に関与するほか、家庭裁判所の命を受けて、他の調停事件について、専門的な知識経験に基づく意見を述べ、又は嘱託に係る紛争の解決に関する事件の関係人の意見の聴取を行います。
  家事調停委員は非常勤とし、その任免に関し必要な事項は、最高裁判所が定めます。(家審22条の2)


実際には家事審判官(裁判官)は一日数十件の調停を担当しており、多忙ですので、調停が成立し調停調書を作成する最後の日ぐらいにしか家事審判官にお目にかかれる機会はありません。
  普段は調停委員2名(男女各1名)が中心になって調停が進められます。


家庭裁判所の離婚調停


  調停室での話合いは非公開(家審規6)で、調停委員を介しての間接交渉で行われます。
   申立人・相手方が同じテーブルについて直接話し合ったり、直接対決する事はありません。
   即ち申立人・相手方は交互に調停室に呼ばれ、
「相手方はこう主張されていますが…あなたの意見は如何ですか」
「それでは外に出てください。今度は相手方の意見を聞いてみますから…」
という様なパターンがくりかえされます。
   一般的には、申立人・相手方が顔を会わせるのは、調停が成立し、調停調書を作成する最後の日に署名押印をする時だけです。

離婚調停の関連条文


家事審判法

第22条 [調停委員会の組織]
 
調停委員会の組織は、家事裁判官一人及び家事調停委員二人以上とする。
調停委員会を組織する家事調停委員は、家庭裁判所が各事件について指定する。

第22条の2[家事調停委員の職務]
  
家事調停委員は、調停委員会で行う調停に関与するほか、家庭裁判所の命を受けて、他の調停事件について、専門的な知識経験に基づく意見を述べ、又は嘱託に係る紛争の解決に関する事件の関係人の意見の聴取を行う。
家事調停委員は、非常勤とし、その任免に関し必要な事項は、最高裁判所が定める。

   

回数


調停の回数


  法律では特に定められていません。1ヶ月に1回程度のペースで約3〜6回前後開かれます。
  調停を早期に終結させたいという希望の方は、相手方の要求を100%呑めば、早期に終了します。
  では調停を長期に引き延ばしたいという希望の方は、相手方の要求を100%拒否すれば引き延ばせるのかと言うと逆で、何回話し合っても調停成立の見込み無しと判断され、1-2回で調停不成立(不調)となります。後は裁判でやってくださいと言われます。
  調停不成立(不調)となると後は裁判離婚しか方法は残されていません。しかも提訴には法定離婚原因や証拠も必要です。これがないと弁護士も引き受けてくれません。
  従って調停申立の時点で、調停がどういう風に進行するかシミュレーションをして、相手によっては離婚訴訟の準備をしてから調停に入るということも考えなければなりません。


家庭裁判所の審判・調停の回数


  平成19年版司法統計によれば、審判+調停総数65,265件(100%)。
  審理期間1月以内6,015( 9%)、3月以内24,050(37%)、6月以内23,084(35%)、1年以内10,455(16%)、2年以内1,582(2%)、2年を越える79(0%)
  審理期間では80%以上が半年以内に終了しています。

  実施期日回数は、0 回5,186( 8%)、1回10,100(15%)、2回15,762(24%)、3回13,144(20%)、4回8,690(13%)、5回5,306(8%)、6 〜10回6,566(10%)、11〜15回446(1%)、16〜20回38(0%)、21回以上27(0%)
 実施期日回数では、60%の人が3回までで終了しています。

離婚調停の期間 短期の例 長期の例


   私どものお客様が全部が全部離婚をする訳ではありませんが、調停を申し立てた場合、相手の不貞の証拠を確保してから調停申立をしていますので、相手方も離婚の決断は早いようです。
  但し財産分与・慰謝料・養育費で最大限の要求をしますので、調停成立に至るまで4〜6回を要するケースが多いように思います。

  短期の例では、弁護士が同行して「裁判で決着する方針だから調停は短期で終了して欲しい」旨お願いして2回で不調(調停不成立)で終了してもらった例もあれば、相手方が箸(はし)にも棒(ぼう)にもかからず、調停委員もさじを投げて2回で不調(調停不成立)で終了した例もあります。

  又、相手方が調停期日に連続して不出頭で、結局、一度も話し合いのないまま不調で終わったお客様もいます。

  私どものお客様の場合、証拠を確保してから調停に満を持して臨んでいますので、このような場合、直ぐ離婚の訴えを提起します。裁判になった場合、正当な理由もなく連続して不出頭だった相手方は、それだけでも間違いなく不利です。

  長期の例では、弁護士に依頼せず、小田原評定が長引いて延々1年半以上やって、やっと調停成立したというお客様もいます。
  ただ家庭裁判所は国民の税金で運営されている機関ですから、余り長引いて個人的な問題でご迷惑をかけるよりも、半年前後で一応結論を出す方針でのぞむべきだと思います。



※平成19年版司法統計

 第15表 婚姻関係事件数-終局区分別審理期間及び実施期日回数別-全家庭裁判所
審 理 期 間
実施期日回数
(審判+調停)









調


調



調




24








総   数
(%)
65,265
(100%)
1,112
(2%)
94
(0%)
31,625
(48%)
11,534
(18%)
728
(1%)
63
(0%)
20,020
(31%)
89
(0%)
審 理 期 間
1月以内( 9%)
3月以内(37%)
6月以内(35%)
1年以内(16%)
2年以内( 2%)
2年を超える(0%)

6,015
24,050
23,084
10,455
1,582
79

19
111
386
451
135
10

-
15
20
37
19
3

1,805
11,440
11,897
5,629
820
34

407
4,070
4,704
2,059
285
9

38
251
266
135
33
5

10
16
27
9
1
-

3,726
8,109
5,760
2,120
287
18

10
38
24
15
2
-
 実施期日回数
 0 回( 8%)
 1回(15%)
 2回(24%)
 3回(20%)
 4回(13%)
 5回( 8%)
 6 〜10回(10%)
11〜 15回(1%)
16 〜20回(0%)
21回 以上(0%)


5,186
10,100
15,762
13,144
8,690
5,306
6,566
446
38
27

18
57
166
203
222
171
243
28
2
2

2
14
11
17
14
13
19
4
-
-

-
4,712
7,723
7,005
4,918
3,000
3,955
277
25
10

10
1,344
3,293
2,769
1,702
1,087
1,247
73
6
3

125
137
201
129
62
32
39
3
-
-

1
17
12
11
9
6
6
1
-
-

5,005
3,797
4,337
3,002
1,757
994
1,051
60
5
12

25
22
19
8
6
3
6
-
-
-
  

離婚調停成立

  

離婚調停成立

調停において当事者間の合意が成立した場合、審判官(裁判官)・書記官が立会い調停調書を作成します。この時点で調停離婚が成立します。

調書作成後、離婚届を作成し、調停調書謄本を添付して10日以内に市区町村役場に届出します。届出義務者は調停申立人です。

  

調停で「協議離婚」の合意

戸籍の記載


  戸籍には、協議離婚をした場合は「協議離婚」、調停離婚をした場合は「調停離婚」、裁判離婚をした場合は「裁判離婚」、審判離婚をした場合は「審判離婚」、と記載されます。


調停で協議離婚をする場合


  第三者から見た場合、戸籍にどう記載されていても、離婚には変わらないことですから、どうでも良いことですが、協議離婚にこだわる人もいます。
  協議離婚にこだわる人は、早めに、理由を述べて、「協議離婚にして、調停調書には『甲と乙は協議離婚をすることに合意する』と記載して欲しい」旨申し出ます。これは条件の一つですから当然相手方の同意が必要です。

  調停調書の文面がこのような場合、調停調書を作成した時点では離婚が成立せず、離婚届を市区町村役場に届出をして初めて協議離婚が成立します。


離婚届の届出


  相手方が離婚届を提出しないという不測の事態を避けるため、調停調書作成と同時に離婚届(用紙は事前に準備)を作成、離婚を希望する側が離婚届を預かり、提出します。
  調停離婚の離婚届の届出義務者は調停申立人ですが、この場合は協議離婚となりますので、離婚を希望する側が届出ることで構いません。

  

分割払いの場合―寄託制度の利用

調停離婚の分割払い


  調停離婚の場合には、分割払いの条件であっても、履行遅滞の比率は少なく、たとえ遅滞した場合でも、家庭裁判所の履行勧告・履行命令により支払う率は高く、協議離婚とはこの点が大きく違います。


寄託制度


  相手方の離婚後の支払に対する態度次第ですが、相手方が支払を条件に、復縁を迫る恐れがある、相手に督促の電話などかけたくない、兵糧攻めの実績がある等の場合、家庭裁判所の寄託制度を利用する方法もあります。(家審15の7)

  これは調停・審判で定められた金銭の支払の履行義務者の申し出を受けて、家庭裁判所が権利者のために金銭の寄託を受ける制度です。即ち支払義務者・受取人の間に家庭裁判所を介在させる方式です。
  権利者が、履行義務者の同意を得て、申請します。入金は家庭裁判所経由になりますので、直接の場合と比べて遅くなります。
  利用したい場合は、調停委員に「寄託制度の利用」を相談してみてください。


寄託制度の実際の利用

  一般的には振込での支払いで様子を見て、履行遅滞が度重なるようであれば、改めて「寄託制度の利用」を申請する事でよいと思います。


  

戸籍筆頭者でない者の離婚後の氏の変更・不変更

婚氏続称


  戸籍筆頭者でない者(一般的には妻)が離婚する場合、通常は旧姓に戻ります。
  離婚後も結婚していた時の相手方の氏をそのまま継続して使用する事もできます。法律的には相手方(戸籍筆頭者)の同意は不要です。


「離婚の際に称していた氏を称する届」、「婚氏続称届」、「戸籍法77条の2の届出」


  相手方の氏を離婚後も継続して使用する場合は、「離婚の際に称していた氏を称する届」を離婚届と同時に、あるいは離婚の日から3ヶ月以内に市区役所に提出します。(民法767条、戸籍法77条の2)
  「離婚の際に称していた氏を称する届」は長くて言いにくいので、「婚氏続称届」、「戸籍法77条の2の届出」とも言われます。


婚氏続称届を離婚届と同時に提出した場合

  旧姓に復氏せず、直接相手方の氏名義の新戸籍が新本籍地に編製されます。
  ここまでは協議離婚の場合と同様です。



調停離婚では、


(1)夫が、不倫をしていた妻には、離婚後、夫の姓を使用させたくない場合
  離婚後夫の姓を使用しない旨の合意が出来たとしても、婚氏続称は法律で保護された権利なので(民767)、婚氏続称を禁止する違法な内容の契約は出来ません。
  調停成立の条件として相手方に申し入れ、口頭で念を押しておきます。(いわゆる口約束だけで保証はありませんが、効果はあります)

(2)妻が、離婚を周囲の人に知られたくない、実家に未だ未婚の弟妹がおりその縁談にさしつかえる等の為、旧姓に復氏せず、直接夫の姓の新戸籍を新本籍地に編製したい場合
  離婚届の届出義務者は調停申立人ですから、妻が調停申立人の場合は、離婚届、調停調書謄本、離婚の際に称していた氏を称する届を一緒に市区町村役場に届出します。

  夫が調停申立人の場合は、調停調書作成日に同時に離婚届を作成、離婚届のその他欄に妻の新本籍(本籍地、筆頭者名)を記入、離婚の際に称していた氏を称する届、を夫に渡し、調停調書謄本と一緒に市区町村役場に届出するよう依頼します。
  の届出用紙は事前に準備し、離婚届も夫の署名・捺印だけで完成するように保証人欄も記入済みにしておきます。


  

離婚調停の効力と履行確保

  

離婚調停の効力


離婚調停の成立と効力


調停において当事者間に合意が成立し、これを調書に記載したときは、調停が成立したものとし、その記載は、確定判決と同一の効力を有します。(家審21)
  従って履行遅滞の場合には、確定判決と同様、裁判所で執行文の付与を受け(民執26)、強制執行をすることが出来ます。(民執22条7)

但し第9条第1項乙類に掲げる事項(婚姻費用分担、養育費、財産分与、親権者など)については、確定した審判と同一の効力を有します。(家審21)
  金銭の支払、物の引渡、登記義務の履行その他の給付を命ずる審判は、執行力ある債務名義と同一の効力を有します。(家審15)
  従って履行遅滞の場合には、執行文の付与を受けずに強制執行をすることが出来ます。

要は、調停調書の文面の、訴訟事項の部分は執行文の付与を受け、審判事項の部分は執行文の付与を受けずに、強制執行をすることが出来ます。



【 関連条文 】

家事審判法


第15条 [審判の効力] 
  金銭の支払、物の引渡、登記義務の履行その他の給付を命ずる審判は、執行力ある債務名義と同一の効力を有する。

第21条 [調停の成立と効力]
  
調停において当事者間に合意が成立し、これを調書に記載したときは、調停が成立したものとし、その記載は、確定判決と同一の効力を有する。
  但し第9条第1項乙類に掲げる事項については、確定した審判と同一の効力を有する。

前項の規定は、第23条に掲げる事件については、これを適用しない。


民事執行法


第22条 [債務名義]
  強制執行は、次に掲げるもの(以下「債務名義」という)により行う。
  1 確定判決
  〜 
  7 確定判決と同一の効力を有するもの(第3号に掲げる裁判を除く。)

第26条 [執行文の付与]
 
 執行文は、申立てにより、執行証書以外の債務名義については事件の記録の存する裁判所の裁判所書記官が、執行証書についてはその原本を保存する公証人が付与する。

執行文の付与は、債権者が債務者に対しその債務名義により強制執行をすることができる場合に、その旨を債務名義の正本の末尾に付記する方法により行う。

  

履行の調査・勧告

履行の調査・勧告


  調停成立後、相手方の履行遅滞で困っている場合、権利者は調停・審判をした家庭裁判所に「調査・勧告」を申出ることができます。(家審規143の2)
  権利者の申出があると、家庭裁判所は調停・審判で定められた義務の履行状況を調査し、義務者に対して、その義務の履行を勧告することができます。(家審15の5)
  気の弱い義務者なら、家庭裁判所の遅滞理由の調査、履行勧告で慌てて支払います。


【 関連条文 】


家事審判法

第15条の5 [履行の調査・勧告] 
  家庭裁判所は、権利者の申出があるときは、審判で定められた義務の履行状況を調査し、義務者に対して、その義務の履行を勧告することができる。

第25条の2 [調停と履行の調査・勧告等] 
  家庭裁判所は、調停又は第24条第1項の規定による審判で定められた義務の履行について、第15条の5から第15条の7までの規定の例により、これらの規定に掲げる措置をすることができる。

家事審判規則

第143条の2[履行の調査・勧告の管轄]
  法第15条の5の規定による調査及び勧告は、当該義務を定める審判をした家庭裁判所(高等裁判所が第19条第2項の規定による裁判をした場合には、原裁判所)がするものとする。
前項の規定は、法第25条の2の規定による調査及び勧告に準用する。

第143条の3[調査・勧告の嘱託]
  家庭裁判所は、他の家庭裁判所に法第15条の5又は法第25条の2の規定による調査及び勧告を嘱託することができる。

第143条の4[調査官による調査・勧告]
  家庭裁判所は、家庭裁判所調査官に法第15条の5又は法第25条の2の規定による調査及び勧告をさせることができる。

  

履行命令と制裁

履行命令と制裁


  履行義務者が家庭裁判所の勧告も無視している場合は、権利者は調停・審判をした家庭裁判所に「履行命令」を申出ます。(家審規143の5)
  家庭裁判所は、調停・審判で定められた金銭の支払その他の財産上の給付を目的とする義務の履行を怠った者がある場合、相当と認めるときは、権利者の申立により、義務者に対し、相当の期限を定めてその義務の履行をなすべきことを命ずることができます。(家審15の6)

  義務の履行を命ぜられた当事者又は参加人が正当な事由がなくその命令に従わないときは、家庭裁判所は、これを10万円以下の過料に処します。(家審28)



【 関連条文 】


家事審判法


第15条の6 [履行命令] 
  家庭裁判所は、審判で定められた金銭の支払その他の財産上の給付を目的とする義務の履行を怠った者がある場合において、相当と認めるときは、権利者の申立により、義務者に対し、相当の期限を定めてその義務すべきことを命ずることができる。

第28条 [命令違反に対する制裁]
 
第15条の6又は第25条の2の規定により義務の履行を命ぜられた当事者又は参加人が正当な事由がなくその命令に従わないときは、家庭裁判所は、これを10万円以下の過料に処する。

調停委員会又は家庭裁判所により調停前の措置として必要な事項を命ぜられた当事者又は参加人が正当な事由がなくその措置に従わないときも、前項と同様である。

家事審判規則


第143条の5[履行命令の管轄]
  法第15条の6の規定による履行命令に関する事件は、当該義務を定める審判をした家庭裁判所(高等裁判所が第19条第2項の規定による裁判をした場合には、原裁判所)の管轄とする。
前項の規定は法第25条の2の規定によるに履行命令に関する事件に準用する。

第143条の6[履行命令前の義務者の陳述聴取]
  家庭裁判所は、法第15条の6又は法第25条の2の規定により義務の履行を命ずるには、義務者の陳述を聴かなければならない。

第143条の7[履行命令の内容]
  法第15条の6又は法第25条の2の規定による履行命令は、当該命令をするときまでに義務者が履行を怠った義務の全部又は一部についてするものとする。

第143条の8[履行命令違反に対する制裁の告知]
  家庭裁判所は、法第15条の6又は法第25条の2の規定により履行を命ずる場合には、同時に、義務者に対しその違反に対する法律上の制裁を告知しなければならない。

  

強制執行

強制執行


 実際問題として強制執行は、
 婚姻費用分担、養育費などの履行遅滞の金額が少額であること。
 手続が面倒なこと。時間がかかること。
 経費倒れの可能性が高いこと。
 強制執行(差押・競売)の強行が、相手の感情を害して以降の支払が止まる恐れもあり、且つ夫婦・親子間の人間関係を破壊すること。
等から余程の状況でなければ使えません。


調停成立後の督促


  調停成立後に履行遅滞がある場合、いきなり強制執行を考えるのではなく、家裁の履行の調査・勧告、寄託→ 履行命令と制裁→ 強制執行 の順で徐々に督促を強めていきます。

但し、現実の実態としては、97/09/29中央児童福祉審議会児童扶養手当部会議事録によれば「養育費に関する履行勧告につきましては平成7年司法統計で 8,300件余り、履行命令は2件という実情」です。

  

寄託

寄託


  家庭裁判所は、調停・審判で定められた金銭の支払を目的とする義務の履行について、義務者の申出があるときは、最高裁判所の定めるところにより、権利者のために金銭の寄託を受けることができます。(家審15の7)
  即ち、家庭裁判所が義務者の申出により金銭を預かり、権利者に交付する制度です。

  調停成立後の金銭の授受に家庭裁判所が介在することにより、金銭授受をめぐる当事者間の更なる紛争を防止する効果があります。

寄託の要件は、下記の通りです。(家審規143の9)


 金銭の支払を家庭裁判所に寄託して行うことを命ずる審判が効力を生じたとき。
 金銭の支払を家庭裁判所に寄託して行う旨の調停が成立したとき。
 前2号に掲げる場合の外、家事裁判官が、審判又は調停で定められた金銭の支払義務の履行について、その金銭の寄託を相当であると認めたとき。

寄託の管轄


  金銭の寄託は、当該義務を定める審判をした家事審判官所属の家庭裁判所です。(家審規143の10)

寄託制度の利用


  調停成立の条件としても良いですし、調停成立後、履行遅滞が続いた後で相手の同意を得て当該家庭裁判所に申し出ることも可能です。

寄託の終了


  寄託が認められたとしても、家庭裁判所に義務者から寄託の申出がされないで3年を経過し、かつ、その間権利者から履行状況の調査及び履行の勧告の申出並びに履行命令の申立てがされなかった場合、家庭裁判所は当該寄託に関する事務を終了させることができます。(家審規143の12)

【 関連条文 】


家事審判法


第15条の7 [寄託]
  家庭裁判所は、審判で定められた金銭の支払を目的とする義務の履行について、義務者の申出があるときは、最高裁判所の定めるところにより、権利者のために金銭の寄託を受けることができる。

家事審判規則


第143条の9[寄託の要件]
  家庭裁判所は、次に掲げる場合に、法第15条の7又は法第25条の2の規定による金銭の寄託を受けるものとする。
 金銭の支払を家庭裁判所に寄託して行うことを命ずる審判が効力を生じたとき。
 金銭の支払を家庭裁判所に寄託して行う旨の調停が成立したとき。
 前2号に掲げる場合の外、家事裁判官が、審判又は調停で定められた金銭の支払義務の履行について、その金銭の寄託を相当であると認めたとき。

第143条の10[寄託の管轄]
   法第15条の7の規定による金銭の寄託は、当該義務を定める審判をした家事審判官所属の家庭裁判所(高等裁判所が第19条第2項の規定による裁判をした場合には、原審判をした家事審判官所属の家庭裁判所)にしなければならない。
前項の規定は、法第25条の2の規定による金銭の寄託に準用する。
前条第1号の審判又は前条第2号の調停において、寄託すべき家庭裁判所が特に定められたときは、金銭の寄託は、前2項の規定にかかわらず、その家庭裁判所にしなければならない。

第143条の11[寄託の交付]
  家庭裁判所は、第143条の9の規定によって寄託を受けた金銭を、権利者の請求により、これに交付しなければならない。
前項の規定により金銭の交付を受けるべき者が反対給付をしなければならない場合には、寄託者の書面又は裁判書、公正証書その他の公正の書面によってその給付をしたことを証明しなければ、家庭裁判所は、これに金銭の交付をすることができない。

第143条の12[寄託事務の終了]
  義務者から寄託の申出がされないで3年を経過し、かつ、その間権利者から履行状況の調査及び履行の勧告の申出並びに履行命令の申立てがされなかった場合においては、家庭裁判所は、当該寄託に関する事務を終了させることができる。


 

離婚調停不成立(不調)


離婚調停不成立 (不調)

調停不成立

  調停は大体1ヶ月に一回のペースで約6回前後開かれますが、これ以上話し合っても当事者間に合意が成立する見込みがない場合、又は成立した合意が相当でないと認める場合、調停委員会は調停が成立しないものとして、事件を終了させることができます。
  この段階で不調(調停不成立)になります。(家審規138の2)
  調停事件が不調(調停不成立)で終了したとき、裁判所書記官は当事者に対し、遅滞なく、その旨を通知します。(家審規141)

※当事者間に合意が成立する見込みがない場合
  調停の当初から夫婦の意見が真っ向から対立していて調停成立の見込みがないと判断され初回で調停不成立とされた事例、相手方が無断で2回連続して不出頭等で即調停不成立とされた事例もあります。


調停取下げ


  又、申立人の事情の変化、離婚に対する考え方の変化で申立てを取り下げる事も可能です。

訴の提起


  離婚調停事件は、調停不成立になっても、ただちに当該事件の訴の提起があったとは見なされません。
  家事審判法第17条の規定により調停を行うことができる事件につい調停が成立せず、且つ、その事件について第23条若しくは第24条第1項の規定による審判をせず、又は第25条第2項の規定により審判が効力を失った場合において、当事者がその旨の通知を受けた日から二週間以内に訴を提起したときは、調停の申立の時に、その訴の提起があったものとみなされます(家審26条2)

  家事審判法第9条第1項乙類に規定する審判事件について、調停が成立しない場合には、調停の申立の時に、審判の申立があったものとみなされます。(家審26条)

  尚、調停不成立の事件が民事訴訟・人事訴訟の訴訟手続から家裁の調停に付された事件の場合は、元の訴訟手続が再開されます。

  家事審判手続から家裁の調停に付された事件の場合は、元の審判手続が再開されます。


【関連条文】


家事審判法 第26条 [調停不成立と審判・訴訟への移行] 

  第9条第1項乙類に規定する審判事件について調停が成立しない場合には、調停の申立の時に、審判の申立があったものとみなす。
第17条の規定により調停を行うことができる事件について調停が成立せず、且つその事件について第23条若しくは第24条第1項の規定による審判をせず、又は第25条第2項の規定により審判が効力を失った場合において、当事者がその旨の通知を受けた日から二週間以内に訴を提起したときは、調停の申立の時に、その訴の提起があったものとみなす。



家事審判規則 第138条の2 [調停の不成立] 

  調停委員会は、当事者間に合意が成立する見込みがない場合又は成立した合意が相当でないと認める場合において、家庭裁判所が法第24条第1項の審判をしないときは、調停が成立しないものとして、事件を終了させることができる。
  法第23条に定める事件の調停につき、当事者間に合意が成立した場合において、家庭裁判所が同条の審判をしないときも、同様である。



家事審判規則 第141条 [調停をしない処置・調停不成立の通知] 

  第138条又は第138条の2の規定により事件が終了したとき、又は法第25条第2項の規定により審判が効力を失ったときは、裁判所書記官は、当事者に対し、遅滞なく、その旨を通知しなければならない。


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